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ドイツ名匠の技術を継承したピアノビルダーが調律・メンテナンスに伺います。

電話でのお問い合わせはTEL.042-563-8967

〒208-0013 東京都武蔵村山市大南3-134-15

ピアノ調律・メンテナンス/ stimmen & wartung



調律の友人・知人関係は、一部ラテン系・スラブ系・英国・スカンジナビア・アジア(日本含)にもいますが、大多数がドイツ語圏の人達です。
ドイツにおける修練を積んだ技術者相場は、150~190ユーロ。南ドイツ・スイスはやや高く、東北部はスラブ系調律師が進出しているので大分落差があります。


ピアノマーケットについて旧知のドイツ人達の話を総合すると、教育機構・部品の提供環境・技術者の質の平均点はドイツが最も高いといいます。次いで同じドイツ語圏のスイス・オーストリア。
仏・英は次のクラス。イタリアやスペイン等ラテン系南欧諸国では、まともに調律できる人がドイツに比べると極端に少なく、旧東欧スラブ圏・旧ソヴィエト地域は更に僅かと聞いています。国民性もあるでしょうが、同じヨーロッパといっても国別格差はかなりあるようです。

調律スタイルも国内のセオリーとは違いますし、何をしてヨーロッパ流と云うのかは難しいところですが、音を奇麗に組み上げようとすれば、30分程度ではなしえないというのが共通の認識です。

例えば、自動車会社の顧客請求工賃は時給8,000~9,500位。7時間で56,000~66,500と算出します。
当店の調律業務は、アップライトでピアノに触れて片付ける迄90~120分。車と違いピアノは来てくれませんので、訪問しなければなりません。すると2件はこなせますが、近在でなければ3件4件というのは可能でしょうか?

移動を含めた非効率な訪問の仕事です。前述の自動車工賃の時給と大差無い料金。7時間続けという事も出来ません。

調律は、乱れた音を綺麗に並び替える仕事ですが、音を揃えるだけでも実はかなり難しい事です。

絃楽器の一族であるピアノは、230本以上の絃が1本100kg程で引っ張られて成り立っています。従って、合わせた瞬間から狂う運命になっています。


◎USA


ワシントンDCに住んでいた顧客のお話。ピアノの先生を通じて紹介してもらった米国人の調律師の某氏。30分以上いた事がないそうで、一日6~7件回っているという事。コンサートホールのピアノは綺麗に鳴っているのに我が家のピアノは何時もパッとしなかったというでした。

家庭を回る技術者とホールでは仕事が違うのか、担当技術者の質が違うのか何とも言えませんが、田舎の話しでなく文化水準の高いワシントンでの話ですから、如何にもアメリカらしい話です。ドイツの友人に話すと『あそこはそうゆう文化圏、おどろく話じゃないよ』とのコメント。


◎シンガポール

日本に観光で来る外国人はアジア系の方も増え、特別珍しくなくなっています。旅行や出張出会う一見中国人に見え、英語を話すのはシンガポールの方が多い様に思えます。
東都とシンガポールに家がある某氏の話。頼んでいる調律の人は、何度か代えられたそうですが、今の人が一番まとも。しかし、仕事は30分。『以前前よりは良いが、奇麗になった気がしない・・・』。

かの地は高湿度の為、知人のピアノ店では日系中古も入荷後暫く放置してから、手を入れるそうです。エアコンのない家にも販売するので、防湿器は付け売りだそうです。かなり顧客本位のお店ですね。
他店で売ったピアノなら、メンテナンスは数日がかりになってしまうと、お疲れな話です。


◎中国 

韓国財閥グループを抜いて、今や世界一のピアノ生産国。北京の某ピアノ店から電話があり、ピアノを譲って貰えないかといった話も出てきた昨今です。

顧客で中国出身クラシック歌手の方いました。郷里には沢山ピアノがあり、食住は提供するので知り合いのピアノの調律・メンテを50台してもらえないかというオファーが有りました。長期滞在、ピアノは一部欧州製もあるのですが、殆ど中国製。

仕事をいただけるのは感謝ですが、実情も地理も顧客層もわからず、大変な労力になりそうな予感もしました。返事を保留にしていたところ、友人のだけ20台でも・・・と依頼をいただきました。結果、踏み切れずお断りしました。

上海転勤で我慢しきれず、先生の紹介でピアノを購入された顧客のお話。知り合いの工場に出かけピアノを見たそうです。そこの工場長は女性で、『買っていただければ私が調律に行きます。ここの工場では一番早く、20分で出来るのですよ。』・・・顧客は大分早すぎる仕事だなと思ったそうですが、他に知り合いもないので依頼。

滞在期間中は彼女が調律に来てくれていたそうですが、毎回20分程で終了されたそうです。帰国後調律依頼があり伺ったところ、定期的調律をしていた割に状態は良くなく、ピッチが下がりすぎて8~10年程実施されていない様な具合でした。




実施期間は短いほど良いですが、家庭では維持予算の関係上、コンサートホールの様に毎月何回も行う事はできません。便宜上半年に1回とか年に1回は実施してくださいとお願いしているのが現状です。

年に3回程度と提案しているピアノ店もあるようですが、繊細なヨーロッパ製楽器はやや短く実施される事をお勧めしています。 当店では、調律時に幾度となく鍵盤を叩く作業の間、メカニックや鍵盤の動きを見ながら経年変化で消耗した部分、傷んだ部分の調整や交換の御提案を考えながらのメンテナンスを実施しています。

機械楽器であるピアノ内部は永久不変でなく、車のタイヤのように使用時間、使用年数で摩滅・劣化が発生します。単に調律だけ実施している場合、10年も経つと痛みや調整の変化が各所に発生しています。




定期調律がされず大幅に音が下がった固体が、寒冷地の暖炉や強力な暖房設備の近くに設置されると、響板が繊維方向に裂ける事があります。ヨーロッパ市場では、中古の70%は割れているとされるメーカーもあります。

我国に存在する内外のピアノもそうゆう事例は事欠きません。裂け・割れも1~2本でなく、10本以上という事も。調律メンテナンスで補える範囲ではありませんが、それとどう向き合うかは難しい問題といえます。

問題はそのピアノを使いたいのかどうかという事です。鍵盤やメカニックに問題なく、雑音さえ出ていなければ、使用は可能。ハンマーが極端に変形したままのピアノよりは随分マシです。唯、音漏れがあるので沈んだ感じになる事もあります。亀裂の場所によっては調律の乱れが著しい場合もあります。





調律メンテナンスに関わるピアノの経年変化と痛みについて、御案内しようと思います。新品で購入し、順に変化してくる部分の処置・対応を上げて見ましょう。


1)鍵盤とメカニック接点の摩滅

この接点は、羊毛製品が鍵盤の上昇運動で圧縮摩滅し、アップライトでは鍵盤とメカニック間に隙が出て、鍵盤運度が正しく伝わらず、浮いたようなタッチとして感じてきます。
グランドピアノでは鍵盤から感じる抵抗感にムラが出ます。購入後、半年から1年程度で直ぐに発生しますが、初歩的なメンテナンスですので簡単な調整で済みます。

しかし、この初歩的メンテナンスをせず何年も放置すると、頼りないタッチになるだけでなく、鍵盤からの運動がマイナスされてハンマーに届くので、十分な演奏能力を発揮できないピアノになります。
調律だけされたピアノでは、この作業すらされてない状態をよく見かけます。

次に挙げる鍵盤クッションの摩滅が加わると、メカニックの大きな損傷に繋がります。よく使う右手のポジション周辺から4~6年程度で摩滅し、鍵盤が左右に大きく振れガタつきます。

過度の場合、鍵盤が運動を支える金属棒に当たってカチカチ雑音が出ます。放置すると鍵盤とメカニックの接点の大きな変形やメカニックの関節を損傷します。

是はフェルトを食べる虫によっても発生しますが、使用されているピアノには住み着きません。

擦り切れた羊毛のクロスは1点づつ剥がし、貼替補修で楽器の寿命を延ばす事が可能です。わずらわしい仕事ですので、実際出張で実施することは少ないと思われます。

グランドピアノでは鍵盤自体質量があるので、極端に傾きハンマーを斜めに止めるので、その関節を痛めます。
この位の傷みですと中央部分の鍵盤も下がっていて、20%程運動量が減っている事も珍しくありません。

アップライトはメカニックを設置したまま鍵盤や関連調整が出来ますが、グランドでは一つの補修・調整でも、ピアノ本体から逐次引き出す仕事があるので、かなりの時間を要します。
ハンマーの距離も変化するので、大変な作業です。その為、殆ど購入したまま使われている事も仕方ないことかもしれません。
 
定期調律をされていてもハンマーやメカニック等のメンテナンスがされていないと、音の輪郭がぼやけてたような状態になってしまい、断線の一要因にもなります。
ただし、持ち主が長い間その状態に慣れている場合、アドバイスがしずらい事もあります。


イチジクの様に変形したハンマーは、右手のポジション辺りから弱い打鍵時に絃の鳴りが妨げられるので、変化のある演奏に適した状態ではありません。 この様なハンマーからは、まともな音は出てきません。でも、よく遭遇するケースです。

写真右側ハンマーは、絃の直径分程度食い込みが確認できます。左は補修済みハンマーです。この位の変形から、ハンマーのレスポンスは落ちてきますので、連打の手応えに変化が出たり、極弱い打鍵時の音ムラが気になる方もいます。



2)ハンマーの変形とネジの緩み

過度な変形の例はピアノ修理のバナーで紹介していますので、そちらをご覧ください。頻繁に使用され続けると、ハンマーも7年程度で結構変形します。右のハンマーは14年使用で、3回目の整形(最高音部)を済ませました。

フェルトの余地はあと僅かです。接点が少なくなったので音質は、改善はされました。フェルトの肉が薄く、接着剤が染みている部分の比率が高くなっているので、硬質な音になってしまいます。次は交換が望まれます。

使用限度に達したグランドピアノハンマー


ハンマー手入れを調律毎に行うのは理想ですが、個人のピアノでは維持コストの面からも、ある程度のサイクルで実施されると良いかと思います。

メカニックの固定ネジは、木製部品が空調などで痩せ、締付状態があまくなります。放置したまま使用を続けると部品の関節を痛め、余計な修理コストに繋がります。

ハンマー運動も定まらないので、擦り切れる量が多く、耐用年数を縮めてしまいます。ネジ締めの期間は、設置環境や使用状況によって極端に短くなる事があります。

メカニックの関節は、アップライトで大凡330箇所以上あり、この部分には耐久力のある羊毛製クッションが貼り込まれ金属の細いピンが打ち込まれています。

湿度の影響で、このクッションが膨れてピンを締め付け、音が出難い運動不良となったり、弾き込んでいる場合は別に擦り切れて部品がガタついてきます。

この補修はクッションの厚みを均等にして動きを安定且つ円滑にしなければなりません。多湿の場
合は納品後半年で発生します。繊細な仕事で正しい工具操作が求められます。この仕事は割りと頻繁に行います。





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