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ピアノハウス ハントケルナー / 旅の出会を紹介しています。

TEL.042-563-8967

〒208-0013 東京都武蔵村山市大南3-134-15



出合と風景/旅の収集品 工具類

ピアノの仕事に使う工具は特殊な物で、多様。欧米のマーケットでは色々なアイテムが流通しています。

管理人は欧州の某工具商社オーナーとは長く友人関係。温泉旅行もした事があり、出張の時は大抵訪問しているので、新しいアイテム情報は豊富です。


☆輸入工具のお話

以前渋谷と早稲田にピアノ工具店が各1店舗あり、渋谷のお店は店主が高齢で廃業、早稲田の店は練馬に移転しています。静岡県浜松市にそこの本社と、別の部品問屋があって、店舗としてはその3カ所です。各店独自のピアノ工具も有ります。

ピアノ用特殊工具は、一般に用途もわかりにくい物です。そうゆう物は此処では採り上げず、良く目にするペンチ、カッター、ドライバー等を中心にあげてみました。
手仕事(独:Handarbeit、ハントアルバイト)には、多様な道具がいりますね。日本人は比較的器用で、ある物で何とか仕事をこなします。
欧米人は音に関する感性を別にして、仕事を見ていても手先は一般に日本人の方が優れているように感じます。そこで作業性を高めるため、一般にも多種多様な優れた工具を考案してきたのでは・・・と個人的に思っています。

どの位の工具を使っていますか?と顧客の方から質問されることがあります。通常、歩きで持ち歩く出張用カバンは7~8kg位、その他車に20kg位。張絃用・電動工具・特殊工具等含めると100キロオーバーは間違いありませんとお答えしています。

ピアノ専用工具は、量産の工具に比べると大変高価で、プライヤー類も100~200ユーロオーバーも普通。それでも欧米の市場は大きく、幾つかの専門業者があります。


外国製工具は、国内製に比べれば高価ですが、ピアノ専用工具からすると殆ど量産品ですので、随分入手しやすいものです。入手時期が随分前ですので、多分デザインの変更もありますし、同様の物が現在も生産されているかどうかはわかりません。

現在はインターネットが普及していますので、世界中の優秀な工具もある程度の時間・費用を覚悟すれば、購入できるようです。インターネット普及以前ですと情報も少なく、なかなか難しい物でした。



◎バーコ社(Sweden)、スウェーデンを代表する工具メーカー

この仕事を始めたときに、ピアノの絃を切るのに一苦労しました。鋼鉄絃を切るのにカッターの刃が直ぐに傷むので、道具が問題でした。
スウェーデン鋼の工具は、頑丈で良いということを父から聞ていましたので、かけ出しの頃リンドスロトームというスウェーデン製カッターをピアノ工具店で買いました。刃は頑丈でしたが、今持っているバーコに比べると切れ味が今ひとつで、関節が痛くなり1台の仕事はきつかった思い出があります。

随分してから、たまたまスウェーデン人の友人ができ、従兄弟がバーコ社に勤務していたので、ピアノ絃用の大型カッターと替刃(当時手工受注生産)を入手出来ました。以来ずっとこの工具を使用しています。

ドイツの工具店では、たまたまかもしれませんが、バーコ製品を目にする機会がありませんでした。スウェーデンやノールウェイの工具店ではドイツ製工具の他、バーコの製品が沢山あって、気に入った物を選んで購入できました。ただし税金が高くて原価の約二割増しになったのには困惑。現在はもう少し高いですね。
小型のピアノワイヤーカッターでもΦ1.75mmMAXなので、コンサートグランドでも問題なく使用可能です。

ストックホルムの友人の話では、税金が高い為、スウェーデン製の新車は輸出用で、一般大衆層は生活の知恵として税制に有利、性能・品質も大差ないの1年落ち以降の物を狙うそうです。彼の愛車は2年落ちということでした。
スウェーデンバーコ社の工具



◎プライヤーとカッター


マウン社の平行運動型プライヤー(14cm)は、丸い金属棒や平行面を持つ部品を掴むのに適し、小型ですが強力に挟み付ける機構。

側面にカッターもあり、ピアノ絃Φ1.5ミリも切断できる。カバーのない方は右側にスプリングがついていて、手を放すと直ちに広がるタイプで、用途に応じて使い分けています。

量産品なのにマイナス捻子が使われ、50~60
年代のレトロな雰囲気で気に入っています。


ピアノの修理では、場所に応じて皮革や羊毛製品を円形に切り抜いたクッションを配置します。抜きポンチを1点ずつ揃えると大変かさばります。ベーム社のカッターは、多用途で刃がシャープ。
15種類の打ち抜き刃物と半径330㍉迄の外枠カッター付。3~10ミリは軸に捻じ込み、12~20と22~30は独立した嵌め込み式で、例えば内側6ミリ外側22ミリという仕様で打ち抜けます。

クニペックスはドイツの代表的工具メーカー。左パラレルプライヤーは、ピアノメカニックを挟んで調整するのに都合が良く、愛用しています。
ダックビルプライヤー(和名:ラジオペンチ)は大型20㎝で、滑らないメッキなしタイプ。1台の絃交換時に活躍しています。不意に絃が切れて、飛んできても鍔状の突起で手を保護してくれます。
打ち抜きポンチセット(フランス、メカノ社)



◎ホールドタイプ・ドライバー(USA


コペンハーゲンの工具店で、1989年頃入手したビスキャッチドライバー。赤い柄の長い方は全長37cm、北米の小規ビスキャッチドライバー、USA製な工具製作所の物のようで、国内では販売されていない様です。
他社でも同様な構造の物はあります。それは短くて、ずんぐりしているので、狭いところや込み入った所の作業はし難い物でした。

外側の筒を先端に向かって動かします。ドライバー自体が2枚仕立、0.75~2ミリ位迄刃幅を厚くしますので、切り溝がその範囲の物は固定したまま目的の場所へ持って行く事ができます。

手の届かないネジ穴へネジを持っていくには、好都合な仮止め用ドライバー。構造上強い締め付けは出来ません。

棒状の方は先端中央部が分割しています。切り溝に嵌っている時は外側に力が働いて、捻子を固定。
解除するときは、軽く押すかひねると、捻子のロックが解除されます。ドライバーとしては上の物が使いやすいと思いますが逆側に強力な磁石が装備されていて、ピアノ内部メカニックに紛れ込んでしまった捻子も簡単に取り出すことができます。


ビスキャッチドライバー、USA製



◎各種ドライバー、レンチ(Germany&Swiss)

現在生産される工業製品は、プラス捻子主体。国内ピアノメーカーの新品は、殆どプラスですが、例外的に一部マイナスも混在しています。

EU製では1970年代以前と、それ以降ではマイナス捻子の切り溝が違います。戦前の規格はまた異なり、分解・組立作業をスムーズにこなすには、切り溝にあった多くのマイナスドライバーが必要です。 部品や締め付け状態に応じて長短も使い分けます。全部ではありませんが、代表的な物だけ並べてみました。

ドイツ製、シュタールヴィレ社



◎ピアノメカニック用ドライバー365ミリ、マイナス&EU規格#2専用

ピアノメカニック専用ドライバーΦ6ミリ。ドイツのピアノ工具商社が工具メーカーに先を細軸に加工依頼して造った物です。約、3.5ミリにされているので、混みいったピアノ内部の捻子を回すのには最適。
マイナスは張り出し部分が少し邪魔でしたので、セルフ加工しました。国内ヴィーハの輸入元では取り扱っていないようです。
十字型はEU独自規格用で、日米では生産されていない捻子用。EU製ピアノを扱うなら必需品。


ドイツ製、ヴィーハ社


◎出張用アイテム

紹介した全部を持ち歩いているんですか?
・・・いいえ、殆ど店内用です。

柄のついた工具は確かに使い易いのですが、非常にかさばります。工具類は殆ど金属で重く、そうなると旅行用のスーツケースが必要です。
通勤の満員電車にも乗りますから、なるべくコンパクトにしたく、大きなカバンは避けたいです。

ドライバーと調律道具だけという方もいますが、その他専門工具類も何かの時に必要と考えますので、ドライバーを差替式スリム化しても、カバンは7~8kg程になります。

持ち歩き用は、ピアノ専用の段加工されたメカニック用差替ドライバー(日米規格&EU
格&マイナス)と、差替ドライバーを愛用しています。

ピストルの様な形のドライバーは、日本製ベッセルのラチェット。別のビットがもう1点収納されているので、±4種あり便利です。

調整用・補修用の専用工具は除いていますので、実際はもっと多くなります。


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