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各地の麦酒巡りに御案内します

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〒208-0013 東京都武蔵村山市大南3-134-15

出合と風景ビールの旅 / 北欧

北欧のビール


◎ デンマークのマイクロ・ブルワリー





◎ 湾口都市Helsinør

コペンハーゲンから列車で小一時間の終着駅。港方面の出口は小振りですが、天井の木枠装飾やシャンデリアから開業当時の繁栄がしのばれます。

DSBの車掌に何度か地名を聞いてみましたが、どうも聞き慣れない母音。ドイツ語と仲間の言語らしく『Ö』とデンマーク語の『Ø』は同じ音と習ったような気がしますが、子音が混じったり実際に聞くと??
デンマーク語は門外漢ですが、カタカナで表記すると『ヘルシンエァ』。

対岸のスウェーデン・ヘルシンボリ(Helsinborg)迄、僅か4km。日に70便のフェリーが往来するHelsingør港は、嘗てスウェーデンとの戦争もあった湾口都市。現在は兄弟国として普通に往来する交通の要所です。。



1) Helsinør城塞Kornborgの復刻ビール

ヘルシンオァ駅構内から出ると、湾の対岸に城塞クロンボー(2000年世界遺産指定)が見えます。シェークスピの戯曲ハムレットの故地。
お城入口近くに模型があり、全容はそこで確認出来ます。幅広の堀に囲まれ敷地も広く、全体を見て回ると内部を除いても一時間位はかかります。



この城では嘗てクロンボー・ビールというのがあったそうです。城内で作られたか、城外なのかは現在の所確認できていません。残された中世のレシピで『MØRK ØL、黒ビール』(独:Schwarzbier、英:Dark beer)をマイクロブルワリーと共同で復活させたときています。

中世ですから勿論エールビール、場内売店限定品で、ピルスビールも併せて販売されています。

税制上、ビールはスウェーデンよりデンマークが安くなっているそうです。

普段静かな地方都市ですが、金曜の午後から週末は対岸のヘルシンボリから大量にアルコール類を買い込む御客さんがやって来るそうです。

ビール特需があるこの町の酒屋さんは、割高なマイクロブルワリーの商品も売れる為、週末はニコニコです。平和ならではのお話ですね。






この復刻ビールは、シェラン島内のブラウンシュタイン・ブルワリーが担当。

2007年創業、ウイスキーでも新興勢力として注目され、英国のコンテストでも評価されています。

流石に世界遺産に指定されたクロンボーとの共同開発の為か、自社の製品としては販売されていない様です。

麦のローストにより、一寸薄目なコーヒーカラーのオーガニック・エール。日本のビールよりも40%程高いアルコール度数は7%。フルーティーなワイン並みで、飲みごたえがあります。泡立ちはやや控えめ、苦みより香りとか甘みを感じます。
中世の製法という点が気になり、4本も購入。2本は旅の合間にいただき、残り2本はお土産。持ち帰り家族と飲むと、普段ラガービールしか味わう事がないので、自分たちがいつも飲むビールとは違う飲み物という感想でした。

管理人、ヨーロッパ滞在中はエールもラガーも味わえますが、出かけない人には異種の飲み物に感じて当然ですね。



2) Herslev Bryghus

コペンハーゲンのあるシェラン島中部のヘァセルフブリューフス。ビール愛好家やスペシャルショップの評価が高い所です。このブルワリーは、オーガニックビール。
柑橘系の香りも豊かで、ワインのようです。インディア・ダーク・エール(IDA)は地元の焙煎小麦と大麦、ホップはニュージーランド産を多く使って苦みがありながらクリーミーな泡立で、濁りの或る濃い栗色。濁りも確認できます。肉料理との相性もいいそうです。

IPAはイングリッシュタイプでなく、アメリカ系の仕込みだそうで、アルコール度数もインディア・ダーク・エールよりもやや低め。ライトウオルナットカラーで濁りがあります。後味も良くしつこさもないので良い感じです。IDAもIPAもスーパーでは入手できず、専門の酒屋さんが扱っています。








西部デンマークのユートランド半島

☆北ユートランド、北海に隣接する古都Ribeとマイクロブルワリー

北ユートランドのデンマーク鉄道網は、コペンハーゲン(København)からブラミング(Bramming)を結ぶ東西線とオーフス迄が電化区間で、それ以外は非電化。

北海側はARRIVAという鉄道会社の運営で、バルト海側はデンマーク国鉄(DSB)になり、ディーゼル運行路線です。

首都よりも歴史があるデンマーク最古の交易都市古都リーベ。この古都への移動は、コペンハーゲンからデンマーク国鉄のICかIC-Lynに乗り、エスビヤ(Esbjerg)かブラミング(Bramming)でARRIVAに乗り換える方法(3時間半前後)。

或いはハンブルク・ヴェスターランド間のニービュール駅からARRIVA鉄道に乗り換える方法(四時間程度)があります。

コペンハーゲンのあるシェラン島 の言葉と、ユートランドの言葉は標準デンマーク語とスウェーデン語以上に違うとの事ですが、ノルウェーも含めて兄弟言語なので、相互理解は出来るという話です。

リーベは北海から直ぐの入り江で、かつては交通の要所で交易の戦略拠点でもあったわけですが、現在は至って静かな地方の町にすぎません。リーベ城址は草が茂り、僅かに堀石垣の遺構が確認できる程度。

ふと芭蕉の『夏草や、つわものどもが夢の後』が浮かんできました。晴れていても日差しが淡く、空が広く感じます。教会等を除き三階迄の建物が多いせいか、そう感じるのでしょう。




3) Ribe Bryghus

市内カテドラルの近くにこのブルワリーがあります。ブロンド、ブラウン、ブラックのエールビールとピルスナーのヴァテン海ビール、赤色のヴァイキングビールの他、季節ビールを製造しているようです。

小規模のブルワリーやワイナリー直売所は、来客数や体制の関係で、週末しかオープンしていない事がよくあります。此方も土曜の10~14時に営業しているとの事で、その時間帯に訪問したところ、従業員の方はいましたが売店はどうゆう訳か閉まっていました。宿のメニューには約二倍の価格でブラウン・エールが61dkr.で出ていました。しかし、シーフードも出すレストランがあるというので、そちらで軽く食事をしながらいただくことにしました。

先ずパンが出てきたので、メニューから平目のクリームスープを注文。肝心のスープは中々出てきません。どんな感じで出てくるのか待っているうちに、しっとりした美味しいパンをかじりながら待ちました。お客さんは開店直後で他にいません。

出てきたスープは作り置きでなく注文後の調理、大き目な器にアツアツでやってきました。景色も良く見た目も美しい。

イクラとレモングラス他ハーブも添えられ、北海のデーニッシュスープは大変良いお味でした。


此方のレストランの品書では、四種のRibebryghusのビールが有りました。単価は約1,100円。ノールウェイよりは低価格(?)ですが、二本で2,200円はウ~ンなお値段。

残念ながら此方での注文は、ブラウンエールのみ。


ブラウンという事ですが、かなりローストが利いたコーヒーカラー。カラメル風味にやや酸を感じて、甘味のある複雑な味わいです。こういうところが、カールスバーグの様な大手ビールにない面白いところです



◎ 近代デザインが同居するデンマーク第二の都市Aarhus


デンマーク第二の都市オーフスは、歴史的北欧建築と近代アートが同居しています。ホームから階段を上がると、赤く塗られた木製の天井、その他近代デンマークデザインが活かされていると感じます。市内を散策しますとその印象はより強くなります。



近代デザインの代表格はオーフス市庁舎とアロス美術館。虹色のリングが建物上にあって、散策する来場客の姿も変化するアートの一部。湾口地域もやはりアートな風景。3) オーフス劇場に隣接するマイクロブルワリー Bryggeriet Clemens

オーフスの人気スポットは、湾口のDokk 1(公立図書館)の西側から始まるÅboulevardenというカフェやレストランが並ぶオーフス川に沿った通りです。この通りより一本入ったところ、デンマーク銀行(Danske Bank)の隣、オーフス劇場の近くにあるのがステーキハウスの『A Hereford Beefstouw』です。

2014年移転統合し、ここの場所で無濾過の自家製ビールを提供しているそうです。顧客層はちょいと一杯やって帰るといった雰囲気ではなく、食事を中心にした人達です。製造元といってもレストラン価格なので、0.2L で約500円~、ビールだけなら量産品をスーパーで購入するほうが経済的で普段使いには一寸高値圏。

ドイツ純粋令に則ったピルスナーの他、ブラウンエールがレギュラーで用意しているという事です。四つの仕込みタンクがあり、個性ある季節のビールも造られています。訪問時はブラウンエールとコーヒーという商品名の黒ビールのみでした。

ブラウン・エールは4.6% Alc.で英国風レシピ。如何にもエールらしい香りのあるタイプ、泡立ちは控え目。

黒ビールはロースト香があるビールで、僅かに燻製香も感じるので、燻した麦も使われている様です。


食事はクラシック・デンマーク風ステーキという名前に惹かれ注文。焼き加減はミディアムでお願いしました。

暫くして出てきたのはハンバーグでしたが、ナイフがで切り難い???

かなり粗い牛肉を固めて焼いた物で、無理やり押し切ると赤い肉汁が出るというワイルドな肉料理。ミデ
ィアムで良かったです。レアではもっと生々しかったので・・・。





◎ ユートランド半島北部の街Aalborg

半島北部の街オールボー。デンマーク国鉄は川のように見えるリムフィヨルドを渡り、セルチュー島の軍港Frederihavnへと続きます。

オールボーは天然の良港で、バルト海と北海結ぶルート上に有ります。為に何度も戦火にあい都度復興したという事です。町並みは、旧市内が中世以降の建物。湾口部は広々として、近現代の建物群となっているようです。


Jørn Utzon(1918~2008年)はデンマークを代表するデザイナーで、少年期を過ごしたオールボーにウツォンセンターが建てられています。因みに近年、シュタイングレーバー社ではウツォンデザインのユニークなグランドピアノを生産しました。コペンハーゲンのオペラハウスの注文。

センター周辺は歴史的な建物は少なく、公園住宅の様にも見えます。彼の手によるかは知りませんが、見てても楽しめる現代デンマークデザインの住宅や、オールボー大学等公的施設が建っています。
撮影当日は、野外ホールでコンサートもありましたが、残念ながらどんよりした小雨まみれの天気で、青空を交えた写真は撮れてませんでした。






リム・フィヨルドのオールボー港では、デンマーク海軍の帆船が停泊、大砲を備えた軍船もあって、小規模な水上訓練が行われていました。現代も水際の要所の役面は変わらずといった感じです。





4) Søgaard's Bryghus Aalborg

ユートランド半島北部のマイクロブルワリーはレストランも兼ねた Søgaard's Brygghus です。コスモポリタンな自家製ビールは品書に18種類。定番ピルスナー、ドイツ・ベルギー・英国・アイルランドレシピのビール。

全て用意されているかは確認しませんでしたが、こんなに種類があるマイクロブルワリーは他に知りません。ランチタイムは17時迄になっているので、ビールを楽しむ顧客と会食をする層が入り混じって盛況です。

ビールの提供単位は、0.2L(約500円~)/0.4L/0.5L売りです。日本の居酒屋さんや旅館のでいただく価格よりは大分高値圏ですが、全て自家製という事が興味深い事です。
これだけあると、全種いただくには大分通わなくてはなりませんね。

ピルスナー等のラガー系や白ビール(ヴァイツェン)は選ばず、日本では生産されていないタイプや経験出来難い高アルコール、上面発酵のビールを3種選びました。

ベルギーレシピのBispens Trippel はレモンが浮いていておしゃれなビール。甘い香りの他、軽いフルーツの味がします。
アルコールは10.3%もあるので、ワイン並み。強めのビールカクテルといった感じで、勿論、一気飲みは禁物です。

料理はシーフードで、ロブスタースープとフィッシュムニエルを注文、ミネラルウォーターは無料。

スープは小振りな器で当たり前、という事で待っていたら嬉しい誤算。大き目な器にゴロンとロブスター肉が二つ、良い出しとなってクリームベースの味を引き立てています。

    
Kicksterter は、ホップを利かせた英国レシピ。麦の焙煎は中庸で、色は通常見る IPA よりは薄目。ホップは多いはずですが、苦みは控えめでインディアを外しても良い様な香りがします。

Treasure Island は、インペリアルタイプのスタウト。カラメル風味で香りも強く、やや甘目のテイスト。このスタウトも12%の高アルコール度数。インペリアルタイプは、飲み方を知らない顧客の足腰の為か、0.2L のみの提供です。

英国からスタウトをロシア皇帝に送る際、凍らないようにアルコール度数を高く仕込んだ事に由来するそうで、以来高いアルコールのスタウトはインペリアルを冠して呼ばれる様です。

税制上の理由も有るために高アルコールの生産は難しい日本では、生産されているスタウトを名乗るビールがあるものの、何種類かいただいたことがありますが、ピンと来ない物が殆ど。

国内の定義上では下面発酵でも良く、インペリアルタイプスタウトとは別物で、色だけ似ている物が殆ど。黒ビールとの差がどこにあるのでしょう?黒ビールよりはスタウトの方が英国風のイメージだから?





ノールウェイのビール


◎ ノールウェイの鉄道事情

ノールウェイの旅は、オスロが起点。人気路線は、6~8月の間世界中から旅行者が訪れます。
オスロ・ベルゲン間等の長距離列車リージョンの運行本数は少なく、完売という事があるので予約が無難。スウェーデンからの国際列車は日に数本しかありません。オスロから放射状に鉄道は伸び、海岸線を結ぶルートは、多くの複雑なフィヨルドがあるので存在しません。鉄道利用で最北駅ナルヴィクへは、スェーデン経由一泊二日。

標高888.6mのミュルダル駅からフィヨルドに下るフロム線も、身近に水流豊かなKjosfossenを見られるとあって、人気路線。コアな鉄道ファンならラウマ渓谷を下るラウマ鉄道も乗ってみたい路線です。






◎ ノールウェーのエール・ビール

冬季すこぶる気温が低く、太陽の日差しが少ない北欧のノールウェーで、体を温めるのにアルコール類は欲しいところです。

以前は、10代でもアルコール依存症があったそうで、アルコールを過度に摂取しないように、政府が酒類販売に厳しい規制をかけています。

冬季酔っぱらって路上で寝ころび、そのまま凍死する男性がいる隣の大国の様になる事が、国民の不利益と考えているようです。

家庭も仕事も壊さないように、隣国の若い女性はお酒を飲まない人が理想の結婚相手とか。

スカンジナビア諸国のビール市場は、大手デンマークのカールスバーグ(Carsberg)グループが大半を占有。ノルウェー市場ではベルゲンのハンザ・ボルクグループがの二番手。

国内ビール消費の内、95%程がラガー系のビール。それでもニッチ産業としてエールビール愛好者用に、大手グループでも生産されています。

レストランの食事自体も高額ですが、飲食店で飲むビールも1000~1500円相当。船のカウンターで見たビール、1本95クローネ(約1425円)!!!。
週に2~3回はひっかけてくる日本のお父さんなら、悲鳴が出てきそうです。


北国で山岳地帯が大半の国土では農耕地に限りがあり、酪農・水産業が盛んなお国柄。南東部では穀物の生産がされ、ビール原料大麦は日本の3倍程生産されています。
それがイコールビール用かどうかは、何とも言えません。こと水に関しては、清涼で豊富ですから問題ありませんね。 同じカールスバーググループの物でも、使用される水の質が異なれば味わいも違うと思われます。



5) Frydenlund Pele Ale

Frydenlund Pale Ale の価格は、同銘柄のピルス(ラガー)ビールの1.5倍。水が良いせいか、エールという感じは良く伝わってきます。ただし、Nøgne Ø 程の個性も味わいも無いような。アルコール度数も低目なので強い個性はありません。

元は歴史ある独立系ブルワリーだったようですが、今はカルスバーググループの所有銘柄で名前だけのようです。クリアーな色なので、濾過されている様です。
ドイツのドゥンケルやアルトビールのような色合い。甘海老のサンドウィッチとペール・エールで、この日の夕食は済ませました。




6) Nøgne Ø

厳しい制限下の中でビール愛好家の指示が強いのが、南地域で生産されている2002年に新規創業したマイクロブルワリーNøgne Ø(ネグネ・エゥ)。
2013年にベルゲンのハンザ・ボルクグループが、50%以上の株を所有したので傘下となりましたが、日本酒も製造する等独自性は保っているようです。

英名India Pale Ale はインドで作られた物でもなく、インドの香料を使っているわけでもありません。19世紀に英国でインド向けのビールを日持ちさせる為、ホップを利かせアルコール度数を高くして送った事が由来とも聞きますが、とにかく現在のIPAはそうゆうスタイルになっています。


この醸造所は本物のエールビールを作るという事に情熱を傾け、多様化したビールファンの指示を得た様です。
味はラガーを飲み慣れているとかなり個性的、このIPAは香りが強く濃い感じ、シーフードとの相性も悪くありません。

この手のビールはアルコールが強いので、ググッとやると直ぐ脚に来ます。ゆっくりと食事と共に味わいながら進めまししょう。

ノルウェイは捕鯨国なので、クジラ肉も食べます。このマッチングも悪くありません。ドイツの友人にクジラを食べたことがある?と尋ねたことがあります。
すると、とんでもないといった表情でギョッとして『ない、ない。欧州でクジラを食べるのは、アイスランドとノルウェーの連中だけだよ。自然に良くない。』と。